巷で話題のクロモリシャフトって効果あるの?

2020年1月31日

みんな変わるっていうけど・・・

巷で話題のクロモリシャフトなんですけどこれって効果あるんでしょうか?

よく言われるのが取り回しが軽くなった、剛性が上がって走行安定性が良くなったとか言われますがそれはどういった理由でそうなるのでしょうか?

よく言われる社外アクスルシャフトの効能

剛性が上がる

材質変更で剛性が上がるという事なんですが、クロモリ鋼にしても剛性はほぼ変わらないです。

確かにごくわずかに変わるっちゃ変わるんですが、それで体感できるのかというと正直疑問なんですよね。

それにですね、海外のバイクだとクロモリが純正採用されている車種も多く、国内のミドルバイク以上のSSだとクロモリを純正採用しているはずです、ならば材質が変わらないのに剛性が上がるのか?っていうわけです。

それとこの件は大阪モーターサイクルショーでクロモリシャフトを作っているメーカーさんに直接訪ねたんですよ、純正採用の炭素鋼とクロモリ鋼は剛性はほぼ変わらないはずなんですが、本当に剛性上がるんですか?って聞いたら、炭素鋼とクロモリでの材質差の影響は、ほぼないでしょうねとの回答でした。

つまりは純正も社外のクロモリシャフトも剛性に差はないという事なんです。

真円度が高い

真円度が高いのは良い事のように思うんですが、実はこれ、アクスルシャフトについては意味ないんですね、アクスルシャフトにはタイヤの位置を決めておく役割が有るのは確かですが、それは丸くなくても問題はないですよね、仮に四角い穴に四角いシャフトを通しても機能しますよね、ですので真円度が高くても影響はないはずなんです、真円度が影響するのはギアとかのシャフト自身が回転する構造の場合は真円度が大事ですが、アクスルシャフトの場合はメリットはほとんどないです。

しいて言えばホイールの付け外しで同じ位置にホイールが収まりやすいというのがメリットでしょうけどここが目で見てわからない程度で動いても影響ないです、だって、そんなこと言ってたらエキセントリック式チェーンテンショナーだと目で見て変わるくらい位置変わりますけど誰も走りが変わったとか言わないでしょ?

表面処理によって低フリクション

滑りの良い表面処理によって低フリクションですか・・・何か誤解してますよね、ご存知のようにアクスルシャフトは回転するような構造ではありませんしシャフト上をホイールベアリングのインナーレースが滑るわけでもありません、あくまでホイールベアリングのインナーレースとボール、アウターレースが回転するようになっているのでいくらシャフトが低フリクション表面処理されていても軽く回ったりしません。

ですが、後述しますが表面処理は別の効能があってそちらで実は低フリクションに貢献しているというのは有ると思います。

寸法公差が純正よりも追い込んである

これは量産車の宿命でコストと品質管理の関係か社外のクロモリシャフトと比べると寸法公差が甘めですから、ここができるだけぴっちりだと、大きな力が加わった時にベアリングとアクスルシャフトの隙間が少ないとホイールのズレる量が減るので操安に影響はしそうですね、体感できるかは個人的には疑問ですけども。

直角度がきちんと出ている

これはきちんと出ているとベアリングに対する影響は有るのでここの精度が出ているのは大事です、シャフトの座面やシャフトのネジがシャフトに対して直角になってないと締め付けたときにシャフトに曲げ応力が加わりそれがホイールベアリングに斜めの力を加えてしまいます、こうなるとベアリングはフリクションが増えてしまいます、なので直角が出ていることは重要です。

ですが、ちょっとよく考えてみてください、シャフトは大変高精度です、でもそれを受けるサスアームのアジャスターの直角度は?サスアームの平行はどれだけの精度なの?フォークのアクスルブラケットも同様です、シャフト単品が高精度でも受ける側の寸法公差が大きければよい方向に精度が出てれば効果はあるでしょうが悪い方向に精度が出てれば逆効果だってあり得ます、高精度な部品を生かすには取り付ける場所も高精度でないとそれを生かすことは難しいでしょう、レーサーなどはそういう高精度の積み重ねで素晴らしい性能を得ています、市販車はコストと製造管理の観点からもちろん十分な精度は出ていますが、レーサーのようには精度を追い込んではいない筈です、なので個人的に思うにシャフト単品を高精度にしても必ずしも期待した性能が発揮するとは思えないのです。

変えたら変化を感じるのは何か?

なんか、変えてもあんまり意味なさそうな事をつらつらと書きましたが、でも変えたら変わったという人は沢山いますね、何がそう感じさせるんでしょう。

クロモリシャフトのインプレでよく言われるところの理由ですが、こういう理由だと思います。

押し引きが軽くなった

これはシャフトを外して清掃グリスアップ、きちんと規定トルクで締め付けたことでベアリングの位置やフォークのねじれ等が取れて軽く回るようになったという事でしょう、あとシャフトのコーティングや精度が高いおかげでより設計時に想定している軸力に近づいたのでベアリングの位置関係がより理想的な位置になったという事だと思います。

路面の状況がよく伝わる、ギャップがはっきりわかる

これは、1つはプラシーボたど思います、剛性は変わらないですから剛性ではないでしょう。

いや、そんなことはないという人もいるでしょう、それはシャフトの重さの変化での変化を感じている可能性と、もう一つ、シャフトの振動減衰率が変わった可能性も考えられます、人間が剛性を感じるのはたいていが振動の伝わり方や減衰の仕方を感じています、ですので、製造方法や材質の違いでこの辺りの特性が変化するのは十分考えられます。

クロモリシャフト効能まとめ

剛性は純正とさして変わらない。

押し引きの軽さはシャフトの組みなおしと精度向上、締め付けトルクの適正化によるもの。

路面状況がよく分かる等は気のせいもしくはシャフトの重量変化や振動減衰率の変化によるものではないかと思われる。

そして最後に、シャフト交換しても特にタイム等が上がる類のものではなく、フィーリングが変わる性質のものです、ですのでそのフィーリング変化が自分の好みと合えばよいですが、合わなければ逆にタイムは落ちるかもしれません。

というわけでそういうことをよく考慮して交換するかを考えてみてください。

ではまた。